演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

化学療法が奏効した肝転移を伴う膵腺扁平上皮癌の1例

演題番号 : P13-7

[筆頭演者]
平野 勝康:1 
[共同演者]
品川 誠:1

1:市立輪島病院・外科

 

症例は,65歳,男性.2015年心窩部違和感,食欲不振,体重減少が出現.症状の改善がみられないため当院を受診した.血液検査所見では,腫瘍マーカーがCEA 2.0ng/ml, CA19-9 544.0U/mlと増加していたが,他は正常範囲内であった,腹部CT検査では,膵頭体部に,3.0×3.0cm大で,胃十二指腸動脈を巻き込むように発育し,内部はlow density,辺縁は早期相から後期相にかけて徐々に造影効果が増強する腫瘍を認めた.また,肝に転移を疑わせる腫瘤を3個認めた.上部消化管内視鏡検査では,十二指腸球部から上十二指腸角の小彎から前壁に,発赤した不整な壁硬化を認め,同部からの生検でgroup 5, 扁平上皮癌と診断された.以上からStage IVの進行膵癌と診断しGem 1000mg/m2, S-1 80mg/m2による化学療法を開始した.1クール終了後Grade 3の骨髄抑制が出現したため2クール目以後は減量した.化学療法により腫瘍マーカは漸減し,4か月後には正常範囲内に減少した.また6か月後には肝転移巣は消失し,原発巣も1.4×1.2cmへ縮小した.以後,原発巣の大きさは不変で,新規病変の出現も認めずPRが得られており,化学療法を継続施行中である.
膵腺扁平上皮癌は,本邦では膵原発性悪性腫瘍の2.1%と報告されており比較的まれな腫瘍である.その上,膵癌のなかでも治療に抵抗性で予後不良とされており,生存期間の中央値は,切除例で6~14.4か月,非切除例で1.6~4.8か月と報告されている.本腫瘍に対して化学療法を行う際には,扁平上皮成分が多い場合には,食道癌などのレジメンが奏効する可能性を示唆する意見もあるが,本症例では,画像所見が他の腺扁平上皮癌症例の報告と同様,通常の膵癌と異なっていたが,組織学的には生検のみの診断であり,腫瘍全体に占める扁平上皮癌の割合が不明であった.そこで,膵癌の標準治療であるGem/S-1を施行したところ,良好な効果が得られた.

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:化学療法

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