演題抄録

ミニシンポジウム

開催概要
開催回
第54回・2016年・横浜
 

治癒切除不能膵癌に対するFOLFIRINOX療法の大規模観察研究 (JASPAC-06): 最終解析結果

演題番号 : MS14-2

[筆頭演者]
小林 智:1 
[共同演者]
戸高 明子:2、盛 啓太:3、朴 成和:4、水野 伸匡:5、尾阪 将人:6、上野 秀樹:15、上杉 和寛:7、小林 規俊:8、林 秀幸:9、須藤 研太郎:10、谷内 豊:11、逸見 利幸:12、小林 真里奈:13、福富 晃:14

1:神奈川県立がんセンター・消化器内科肝胆膵、2:静岡県立静岡がんセンター・消化器内科、3:静岡県立静岡がんセンター・臨床研究支援センター臨床研究推進室、4:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院・消化器内科、5:愛知県がんセンター中央病院・消化器内科部、6:公益財団法人がん研究会有明病院・消化器病センター、7:独立行政法人国立病院機構四国がんセンター・消化器内科、8:横浜市立大学・附属病院・臨床腫瘍科、9:北海道大学・病院、10:千葉県がんセンター・消化器内科、11:第一三共株式会社・安全管理推進部、12:株式会社ヤクルト本社・医薬安全性情報部、13:(公財)静岡県産業振興財団ファルマバレーセンター・治験推進部、14:静岡県立静岡がんセンター・消化器内科、15:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院

 

【目的】国内実臨床での治癒切除不能膵癌に対するFOLFIRINOX療法(FFX)の実態を明らかにするため、大規模観察研究(JASPAC-06)を行った。
【方法】FFXが承認された2013年12月20日からの1年間に国内27施設においてFFXを開始した、または開始する予定の進行膵癌患者全例を集積し、CPT-11を投与していない1例を除いた399例における有効性と安全性を検討した。
【結果】患者背景は、男 / 女: 67% / 33%、術後再発 / 局所進行 / 遠隔転移: 20% / 20% / 60%、ECOG PS 0 / 1 / 2: 70% / 29% / 1%、Alb施設基準値未満: 54%、一次治療での使用は63%であり、国内第二相試験の適格性に合致したのは68%であった。2コース以上治療を受けた359例のうち、減量開始例(67%)を含め、93%に何らかの減量が行われており、コース開始延期は86.6%に認めた。減量、延期の原因はいずれも好中球数減少が最多で(66%および77%)、有害事象中止は16%に認めた。治療開始6ヶ月までの相対用量強度は、L-OHP 73%、CPT-11 66%、5FU bolus 7%、5FU ci 80%であった。全体の全生存期間中央値(MST): 327日(95%CI: 294-360)、無増悪生存期間中央値(mPFS): 140日(95%CI: 122-158)であり、奏効割合20%、病勢制御割合62%であった。一次治療例において、術後再発 / 局所進行 / 遠隔転移では、MST: 150 / 563 / 336日、mPFS: 100 / 230 / 147日であり、初回減量の有無により有意差を認めなかった(減量あり / なし: 425日 / 336日, p=0.207)。二次治療以降の症例では、MST: 249日、mPFS: 91 日であった。Grade 3以上の主な有害事象は、好中球数減少64%、白血球数減少31%、食欲不振14%、発熱性好中球減少症13%であった。Grade 4以上の血液毒性およびGrade 3以上の非血液毒性発現のリスク因子について多変量解析を行うと、女性(Odds比: 1.67, 95%CI: 1.07-2.61, p=0.023)、PS低下(Odds比: 1.65, 95%CI: 1.06-2.57, p=0.027)、Alb施設基準値未満(Odds比: 1.64, 95%CI: 1.08-2.49, p=0.019)が有意な因子であった。
【考察】FFXは実臨床において、局所進行や二次治療なども含めて、国内第二相試験の適格基準外症例に対しても使用されている実態が明らかとなったが、適切な減量・延期が行われ、国内第二相試験と遜色ない有効性が得られていると考えられる。しかし、女性、PS低下、Alb施設基準値未満の症例に対するFFXは慎重を要すると考えられた。初回減量投与の是非については今後更なる検討が必要である。

キーワード

臓器別:膵臓

手法別:化学療法

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