演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

術後早期に縦隔リンパ節転移を来した胆嚢腺内分泌細胞癌の1例

演題番号 : P133-8

[筆頭演者]
織井 崇:1 
[共同演者]
奥村 征大:1、吉村 昌記:1、北原 弘恵:1、唐澤 幸彦:1

1:伊南行政組合昭和伊南総合病院外科

 

胆嚢腺内分泌細胞癌Mixed adeno-neuroendocrine carcinoma (MANEC) は、2015年3月30日現在の医学中央雑誌での検索では50例弱、と発生頻度の低い稀な疾患であり、予後不良である。今回われわれは、術後早期に縦隔リンパ節再発を来したMANEC症例を経験した。70歳女性。右上腹部から背部にかけての痛みを自覚、増強したため近医受診したところ、胆嚢の腫脹を指摘されて当院消化器内科紹介となった。50年ほど前の腰椎椎間板ヘルニア、数週間前からの降圧剤内服以外に特記すべき既往歴はなかった。CTで胆嚢底部の不正な壁肥厚と肝十二指腸間膜から膵後部にかけて、最大径3cmの腫大リンパ節が多数確認され、リンパ節転移を伴う胆嚢癌の診断で外科転科となった。PET-CTを含めた各種画像診断にて遠隔転移は確認されず、根治切除可能と判断した。肝実質浸潤はHinf1程度であったが、巨大な膵後部リンパ節による膵浸潤の可能性もあったため、肝S4a + S5切除ならびに幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を選択した。胃十二指腸動脈から分枝する右肝動脈は、腫大するリンパ節内に埋もれて存在したため合併切除した(再建せず。)。手術時間は11時間16分、出血量は1045mlであった。術後はPOPF Grade Aの膵液漏が発生したが、第8病日までには腹腔ドレーンを全て抜去し、それ以外は大きなトラブルもなく第29病日に退院した。病理組織検査ではMANECと診断され、adenocarcinoma成分はtub1, 深達度mの非浸潤癌であったが、NEC成分は深達度ssで脈管侵襲が強く、肝十二指腸靱帯リンパ節ならびに膵後部リンパ節に高度の転移が確認され、fStageⅢであった。術後50日目のfollow up CTで縦隔に多発するリンパ節が確認され、NEC成分の転移と診断した。以後は本人の希望もあり、BSCの方針で経過観察、術後289日目に鬼籍に入られた。以上の症例呈示に若干の文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:胆嚢・胆道

手法別:手術療法

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