演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

ICG蛍光システムによる存在診断を行った肝細胞癌の一例

演題番号 : P131-5

[筆頭演者]
安藤 慶:2 
[共同演者]
青木 大:2、下之薗 将貴:2、瀬戸山 徹郎:2、有留 邦明:2、前之原 茂穂:2、夏越 祥次:1

1:鹿児島大学医学部消化器・乳腺甲状腺外科学、2:鹿児島厚生連病院外科

 

インドシアニングリーン(Indocyanine Green(ICG))は血中の血漿タンパク質と結合することにより安定化し、近赤外光で励起することにより蛍光発光する。このICGを用いた光力学的診断はICG蛍光法として悪性黒色腫や乳癌のセンチネルリンパ節同定や臓器の血流評価、胆道系の造影検査などに広く応用されるようになってきている。また、肝切除における有用性も報告されるようになっている。今回ICGカメラシステムを用いて手術ナビゲーションを行った肝細胞癌(Hepatocelluler Carcinoma, 以下HCC)の切除例を経験したので報告する。
症例は68歳の男性。約30年前よりB型肝炎を指摘され、当院消化器内科で加療を行っていた。昨年8月に定期の腹部エコーで肝S4に10mm大のlow echoic massを指摘され、経過観察を行っていたが画像所見上HCCの可能性が高くなり、切除目的に当科紹介。身長160cm、体重59.2kg。腫瘍は腹部エコーで肝S4、胆嚢床と接する部位に約15mm大の辺縁不整な低エコー像として描出。CTでは典型的な造影パターンではないが、MRIの動脈相で濃染像を示し、拡散強調画像での拡散制限、さらにADC値の低下を認めていた。腫瘍マーカーはAFPが10.58ng/dlと軽度の上昇を認めたがPIVKA-IIは正常範囲内であった。以上より肝S4のHCCと診断し、肝部分切除術(胆嚢合併切除)を行った。
手術2日前にインドシアニングリーン(0.5mg/kg)を静注し、ICGカメラシステム(KARL STORZ GmbH & Co. KG , Germany)を用いて術中ナビゲーションを行った。腫瘍は肉眼的に確認することが困難であったが蛍光発光させることにより極めて明瞭に区別され、容易に確認することができた。
ICG蛍光システムによる光力学的診断は腫瘍の同定のみならず、胆道系の造影にも応用されている。安全性、簡便性に優れた診断法であり、今後手術の安全性向上や診断の精度向上に大きな貢献が期待できる。

キーワード

臓器別:肝臓

手法別:診断

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