演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

腹膜播種を伴った低悪性度子宮内膜間質肉腫の1症例

演題番号 : P91-8

[筆頭演者]
岡本 三四郎:1 
[共同演者]
松浦 基樹:1、近藤 英司:1、尾松 公平:1、馬屋原 健司:1、竹島 信宏:1

1:公益財団法人がん研究会有明病院婦人科

 

【はじめに】子宮内膜間質肉腫は、WHO分類では低悪性度子宮内膜間質肉腫と未分化子宮内膜肉腫に分類されている。術前に子宮筋腫や子宮腺筋症などと診断し、術後初めて診断にいたることが多い。またその稀な発生頻度のため標準治療法は未だ確立していない。2012年度版のNCCNのガイドラインでは低悪性度子宮内膜間質肉腫と未分化子宮内膜肉腫を区別して治療することを推奨している。低悪性度子宮内膜間質肉腫は、ホルモン受容体陽性であることから、内分泌療法も有望な治療法としてあげられる。今回われわれは、腹膜播種を伴い診断に苦慮した低悪性度子宮内膜間質肉腫の1症例を経験したのでその経過を報告する。
【症例】46歳、3経妊2経産、33歳の時に子宮頸部上皮内癌と子宮筋腫の診断にて子宮全摘出術の既往があった。病理診断も術前と同様であった。今回の主訴は膀胱炎症状と腹痛・下血で前医受診し、骨盤内に小児頭大の腫瘍を指摘され卵巣悪性腫瘍・腹膜播種・大腸浸潤疑いにて手術施行された。手術所見では、両側卵巣は異常所見なく、小腸腸間膜内に12cm程度の腫瘤性病変と小腸とS状結腸間膜に2cm程度の播種性病変を認めた。術式は、腫瘍切除、両側付属器切除、小腸部分切除、S状結腸部分切除、播種病変切除、虫垂切除術を行った。術後病理診断で以前の子宮筋腫として摘出した検体を再検討して低悪性度子宮内膜間質肉腫再発と診断した。診断と術後治療相談のため当院に紹介となり、当院でも低悪性度子宮内膜間質肉腫再発と診断し、再発予防のためイホスファミド (ifosfamide)+エピルビシン(epirubicin)+シスプラチン(Cisplatin)療法を3コース、その後ホルモン内服 (ヒスロンH400mg) 療法を行い、現在再発兆候なく経過観察中である。
【結語】子宮内膜間質肉腫は若年発症も多く、Ⅰ期の低悪性度子宮内膜間質肉腫は卵巣温存が検討されつつあるものの、再発など腹膜播種を呈する症例も認められることより、その取扱いには慎重に対応しなければならない。また低悪性度子宮内膜間質肉腫再発症例は稀なであり、化学療法に関するエビデンスは非常に少なく、今後症例の集積とその治療法の確立が必要と考えられる。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:内分泌・ホルモン療法

前へ戻る