演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

大動脈周囲リンパ節転移から下大静脈へ浸潤し肺動脈腫瘍塞栓症を発症した大腸癌の一例

演題番号 : P75-3

[筆頭演者]
徳久 元彦:1 
[共同演者]
小川 嶺:1、長谷川 翔:1、後藤 歩:1、小林 規俊:1、諏訪 宏和:2、籾山 将士:2、石部 敦士:2、大田 貢由:2、秋山 浩利:2、前田 慎:3、中島 敦:4、遠藤 格:2、市川 靖史:1

1:横浜市立大学附属病院臨床腫瘍科、2:横浜市立大学大学院医学研究科消化器・腫瘍外科、3:横浜市立大学大学院医学研究科消化器内科学、4:横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学

 

症例は53歳、女性、既往歴は特になし。貧血、便潜血陽性で施行した大腸内視鏡検査で上行結腸に3/4周性の2型腫瘍を認め腺癌(tub2>muc)であった。造影CTでは上行結腸壁肥厚および所属リンパ節、大動脈周囲リンパ節(P-Ao)の腫大が認められた。P-Ao腫大は腎動脈分岐部から総腸骨動脈分岐部まで多発し下腸間膜動脈分岐部の高さで、下大静脈(IVC)背側から左側の腫大リンパ節からIVC内へ低吸収性の腫瘤が連続して認められ内部で頭尾側方向へ2㎝程度進展していた。上行結腸癌 cT4a N2b M1 (P-Aoリンパ節IVC浸潤)の診断となった。1次治療としてCapeOX+ベバシズマブ療法を開始し6サイクル目のオキサリプラチンアレルギーのため同薬のみ中止し治療を継続した。6サイクル終了時の造影CTではリンパ節転移巣の縮小(SD)が認められ、腫瘍マーカーもCEA 16.2 → 4.6、CA19-9 33 → 20に改善した。治療開始後6か月目の腰痛増悪時の造影CTで他の標的リンパ節転移巣がSDを保っていたにも関わらずP-Aoリンパ節転移巣の腰椎への直接浸潤と共にIVC腫瘍塞栓の増大と肺動脈塞栓が認められた。呼吸苦、共通などの症状はなかった。PET-CTのSUVmaxは肺塞栓:3.4、IVC腫瘍栓:6.4、腰椎浸潤部 13.8であり、IVC腫瘍を塞栓子とした肺動脈腫瘍栓と診断した。1次治療PDと判定し、2次治療としてFOLFIRI療法を施行中である。医学中央雑誌で「大腸癌」「下大静脈腫瘍栓」で検索したところ8件の報告があったがP-Aoリンパ節転移巣から直接下大静脈へ浸潤した症例はなく、「大腸癌」「肺腫瘍塞栓」の検索では過去に報告はなかった。大腸癌のP-Aoリンパ節転移巣からIVC内へ浸潤したまれな症例を経験した。同リンパ節は経過中他の標的病変の増大を伴わずにIVC腫瘍栓の増大と腰椎への直接浸潤を呈した。本症例ではIVC腫瘍栓および肺腫瘍栓の組織学的診断は得られていないが、造影CT所見およびPETでのFGD集積所見から腫瘍栓と診断した。PETは血栓および腫瘍栓の鑑別の一助となることが考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:診断

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