演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

大腸内分泌細胞癌の検討 ~5例の治療経験例からの考察~

演題番号 : P72-10

[筆頭演者]
佐藤 美信:1 
[共同演者]
升森 宏次:1、小出 欣和:1、松岡 宏:1、前田 耕太郎:1

1:藤田保健衛生大学下部消化管外科

 

【目的】大腸内分泌細胞癌は血行性転移を有することが多く、予後不良とされているが、まれな疾患であり、その臨床的特徴については十分に解明されていない。自験例から大腸内分泌細胞癌の治療方針を考察した。
【対象・方法】大腸内分泌細胞癌5例の治療経験からその特徴と治療成績を検討した。
【成績】男性4例、女性1例で、平均年齢は62.6歳であった。主訴は3例で排便時出血、2例で排便困難で、平均病悩期間は2.2月であった。主占居部位はRs1例、Ra2例、Rb2例で、肝転移を4例(H3:3例、H1:1例)に認めた。手術は低位前方切除術が2例、腹会陰式直腸切断術、ハルトマン手術が各々1例ずつ、多発肝転移を認めた症例の1例では姑息的治療として人工肛門造設術が施行された。腫瘍最大径は平均4.9cmで、全例で高度な静脈侵襲を認めた。肝転移を有さなかった1例の病期はstage2で、術後補助療法としてmFOLFOX6を施行したが、術後12月で局所再発を認めた。局所再発に対しては化学放射線治療(50Gy+TS-1 125mg/日)を施行し、治療効果はPRであった。術後17月に肺転移を認めたため、mFOLFOX6 + Bevacizumabを開始したが、効果なく、術後28月で死亡となった。H1肝転移例は単発であり原発巣切除後2期的に肝切除術を行い、術後99月経過した現在まで無再発生存中である。多発肝転移を有した3例は原発巣切除した2例を含め、全例が術後3月以内に癌の進行により、いずれも手術後に退院することなく死亡した。
【結論】大腸内分泌細胞癌の5例中4例に肝転移を有し、予後は不良であった。大腸内分泌細胞癌の多発肝転移症例に対する原発巣切除は予後のみならずQOLの向上に寄与せず、症状回避のための最小限の処置が望ましいと考えられた。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:QOL

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