演題抄録

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開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

HER2陽性進行乳癌に対する術前薬物療法としてのEC-HER+DTX療法:HER2NAT、5年目の解析

演題番号 : WS30-2

[筆頭演者]
吉田 敦:1 
[共同演者]
中村 清吾:2、佐伯 俊昭:3、青儀 健二郎:4、柏葉 匡寛:5、佐藤 信昭:6、増田 慎三:7、雷 哲明:8、大野 真司:9、黒井 克昌:10、西村 令喜:11、都田 佳子:12、秋山 太:13、黒住 昌史:14、池田 正:15

1:聖路加国際病院乳腺外科、2:昭和大学医学部乳腺外科、3:埼玉医科大学国際医療センター乳腺腫瘍科、4:独立行政法人国立病院機構四国がんセンター化学療法科、5:岩手医科大学医学部外科学講座、6:新潟県立がんセンター新潟病院乳腺外科、7:独立行政法人国立病院大阪医療センター乳腺外科、8:社会医療法人博愛会相良病院、9:独立行政法人国立病院機構九州がんセンター乳腺科、10:がん・感染症センター都立駒込病院、11:熊本市立熊本市民病院、12:公益財団法人先端医療振興財団、13:公益財団法人癌研究会がん研究所、14:埼玉県立がんセンター病理診断科、15:帝京大学医学部腫瘍外科

 

背景
2006年から2008年にかけて、HER2陽性進行乳癌(炎症性乳癌を除く、臨床病期ⅢB,ⅢC,Ⅳ)に対する術前薬物療法として、EC[エピルビシン(EPI)+シクロホスファミド(CPA)]を施行後に、HER+ドセタキセル(DTX)を逐次投与するレジメンの有効性と安全性を評価する非ランダム化単群の多施設共同第II相試験を実施し、主要評価項目である病理学的完全寛解率(pCR率)に関して報告した。今回、手術終了後5年の追跡結果解析を行ったため報告する。
目的
副次的評価項目である、無再発生存期間(DFS)と、全生存期間(OS)について解析する。
対象と方法
術前治療を開始した手術実施症例34症例を対象とした。DFSは、あらゆる原因による死亡日、再発判断された日のうち最も早く発生したイベントの確認日までの期間とした。再発は、局所(温存乳房内を含む)リンパ節遠隔臓器転移再発をさし、異時性乳癌、二次癌は含まないものとした。OSは、あらゆる原因による死亡日までの期間とした。
解析方法はカプラン・マイヤー法を用い、閉経情報(閉経前vs閉経後)、術前治療効果(pCR vs Non pCR)、手術法(乳房切除vs乳房温存)、術後治療法(トラスツマブ療法vsホルモン療法)ごとに、ログランク検定により比較を行った。また、これらの因子を調整因子として比例ハザードモデルをあてはめ検討した。
結果
DFSの解析は、有効解析集団34症例からStageIVの3症例、欠測1例を除いた、30例を対象に行った。30例中11例にイベントが発生しており、2年DFSと5年DFS (95% CI)はそれぞれ、90.0% (72.1,96.7)、61.2% (40.8, 76.4)であった。群間比較では、閉経前群と閉経後群 (p=0.3785)、術前治療効果(Non pCR vs. pCR)(p= 0.4510)、手術法(乳房切除vs. 乳房温存)(p= 0.5805)、術後治療法(トラスツズマブ療法vs. ホルモン療法)(p= 0.8908)であり、いずれも有意な差は認められなかった。
OSの解析は、34症例中欠測1例を除いた33例を対象に行った。33例中5例にイベントが発生しており、2年OSと5年OS(95% CI) はそれぞれ、100.0% (100.0,100.0)、90.9% (74.4, 97.0)であった。群間比較では閉経前群と閉経後群 (p=0.3876)、術前治療効果(Non pCR vs. pCR)(p= 0.8539)、手術法(乳房切除vs. 乳房温存) (p= 0.8007)、術後治療法(トラスツズマブ療法vs. ホルモン療法) (p= 0.8757)であり、いずれも有意な差は認められなかった。
結論
HER2陽性進行乳癌に対するEC-HER+DTX逐次投与後の5年OSは90.9%と良好であった。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:分子標的治療

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