演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

進行再発乳癌におけるVinorelbineとGemcitabineの比較

演題番号 : P103-6

[筆頭演者]
服部 晃典:1 
[共同演者]
平野 明:1、小倉 薫:1、大久保 文恵:1、井上 寛章:1、阪口 志帆:1、上村 万理:1、木下 淳:1、清水 忠夫:1

1:東京女子医科大学東医療センター乳腺科

 

(はじめに)現在,進行再発乳癌に対する一次,二次化学療法としてAnthracycline(A)系,Taxane(T)系の薬剤,HER2陽性乳癌においては分子標的治療薬の併用が推奨されている.しかし,三次治療以降の治療においては確立されたものはなく,乳癌診療ガイドラインでは「転移・再発乳癌に対する三次治療以降の化学療法として,Capecitabine,Eribulin,TS-1,Vinorelbine(VRB),Gemcitabine(GEM),Irinotecanが勧められる」とある.それぞれの薬剤の治療成績の報告は散見されるが,比較した報告は乏しいのが現状である.今回,当院でVRBおよびGEMを投与した進行再発乳癌の治療成績をretrospectiveに比較検討した.
(対象)2009年~2013年に当科でVRBとGEMの両者を投与した進行再発乳癌18例とした.(方法) VRB (25mg/m2,day1,8,1クール21日)、GEM (1250mg/m2,day1,8,1クール21日)を投与し,PDに至るまで施行した.HER2陽性は全例Trastuzumabを併用した。
(結果)平均年齢56.9歳,平均観察期間26.7か月,再発は15例,StageⅣ 3例であった.Hormone receptor(HR)+/HER2-が10例,HR-/HER2+が6例,HR-/HER2-が2例であった.前治療としてAおよびT既治療が17例,T既治療が1例であった.再発後化療line数の中央値はVRBが2.5,GEMが4で,VRBの先行投与が14例,GEMの先行投与例が4例であった.奏効率はVRB 11.1%,GEM 0%,臨床的有用率はVRB,GEMともに27.8%であった.無増悪期間中央値(TTP)はVRBで136日,GEMで63日とVRBで良好な傾向(p=0.0528)であった.生存期間の中央値(MST)はVRB先行例が702日,GEM先行例が790日で差はなかった(p=0.978).有害事象はG3以上の好中球減少がVRBで7例(G3 4例,G4 3例),GEMで6例(G3),貧血はVRBで2例(G3),GEMで1例(G3)であった.その他VRBで静脈炎 5例(G2)を認め,GEMでは蕁麻疹2例(G2),流涙1例(G1)を認めた.
(考察)VRBの先行例が多いため両者の単純な比較は困難であるが,自験例ではVRBが奏効率,TTPで良好な結果であった.VRBにおいては諸家の報告とほぼ同等の結果であったが,GEMにおいては諸家の報告より劣る結果であった.しかし,MSTではVRB先行,GEM先行に差はなかった.両剤ともにQOLを損なうような有害事象は少なく,忍容性に優れた薬剤と考えられた.進行再発乳癌においては症状緩和および延命が主目的であり,治療効果だけでなく身体面,心理面などQOLも重視した治療戦略を考えていく必要がある.

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

前へ戻る