演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

Cetuximabの再導入を行った直腸癌の一例

演題番号 : P51-6

[筆頭演者]
西垣 貴彦:1 
[共同演者]
金 浩敏:1、人羅 俊貴:1、村上 昌裕:1、小田 直文:1、廣田 昌紀:1、吉川 正人:1、森島 宏隆:1、池永 雅一:1、清水 潤三:1、三方 彰喜:1、松並 展輝:1、長谷川 順一:1

1:独立行政法人労働者健康福祉機構大阪労災病院外科

 

はじめに:切除不能進行・再発大腸癌に対する化学療法の発展は目覚ましいものがあるが、依然として予後不良である。今回我々は1次治療でCetuximabを使用した直腸癌に対し、4次治療としてCetuximabを再導入した症例を経験したため、若干の文献的考察を加えて報告する。
症例:76歳男性。2010年7月より下痢が持続し近医を受診、下部消化管内視鏡で直腸Raに2型進行直腸癌を認めた。2010年10月に当院を受診。CT・MRIで原発巣の骨盤壁への浸潤が疑われた。切除困難な局所進行直腸癌cT4b(SI 骨盤壁) N1M0, cStageⅢaと診断し、臨床試験として術前化学療法を行う方針とした。
K-rasの変異がないことを確認し、mFOLFOX6+Cetuximabを開始したが、好中球減少・肝機能障害などの有害事象を認め2コースで中止となった。2コース施行後のCTでは原発巣は22.8%縮小しておりSDと判断した。根治切除を行う方針とし、2011年1月に腹会陰式直腸切断術を施行した。病理結果はRa , tub2, pAI(pelvic floor), PM0, DM0, RM1, pN0(0/4),Chemotherapy effect:Grade1aであった。外科的剥離断端陽性であったため、仙骨前面に60Gy/30回の放射線治療を行った。2011年9月にCT・MRIで肝転移・多発肺転移再発を認め、化学療法を再開した。
Bevacizumab+FOLFIRI 29コース、Bevacizumab+FOLFOX 6コースを投与したがいずれもPDとなり。2013年6月より臨床試験としてCetuximabの再導入を行うこととした。Cetxuximab 250mg/m2 1週間毎(1コース目のみ400mg/m2),Irinotecan 150mg/m2 2週間毎の予定で開始した。Cetuximab+Irinotecan開始後は腫瘍マーカーの低下を認めた。2013年10月のCTで標的病変は18.7%の増大であり、SDと判断した。Cetuximabはほぼ休薬なく17回投与可能であった。一方、徐々にPSが低下しており、Irinotecanを併用できたのは4回のみであった。2013年12月、腫瘍マーカーが再度増加傾向でありPDと判断、PSも低下しておりBSCとなった。2014年1月に原病死された。
考察:Cetuximabを含む治療をK-ras野生型で施行し、その後、再度Cetuximabを含む治療を行ったところ、奏効率53.8%であったと報告されている。本症例でも一時的に腫瘍マーカーの低下を認め、腫瘍はSDの範囲内の増大であった。約4ヶ月間は病勢をコントロールできたと考えられた。
結語:K-ras野生型の切除不能進行・再発大腸癌においてはCetuximabの再導入が有用な治療である可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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