演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

大腸癌化学療法例における腫瘍マーカー増加の診断能分析

演題番号 : P47-4

[筆頭演者]
宇良 敬:1 
[共同演者]
室 圭:1、高張 大亮:1、門脇 重憲:1、安藤 正志:1、谷口 浩也:1、野村 基雄:1、成田 有季哉:1、小森 梓:1

1:愛知県がんセンター中央病院薬物療法部

 

【背景】腫瘍マーカー測定は毎月行われており、治療経過中に画像診断によらず腫瘍マーカーの増加をもって増悪と判断されることがあるが、腫瘍マーカーの増加診断が画像診断の代替指標となるかについて言及した報告はない。
【目的】腫瘍マーカー増加と画像診断による増悪診断との関連について感度、特異度を明らかにする。
【方法】対象は2011年から2013年までに切除不能進行再発大腸癌に対して化学療法、腫瘍マーカー検査と画像診断が行われたデータセット。対象を探索群と妥当性検討群とに無作為に二分する。探索群について、画像診断において前回画像診断から新病変の出現、計測可能病変の20%以上の増大、計測不能病変の明らかな増悪を認めた診断を「真」とみなした目的変数とし、当該画像診断と先行する2週間以内、4週間前、8週間前、12週間前に実施された腫瘍マーカーのデータセットを説明変数としたロジステック解析を行う。もっとも関連の強い増加割合についてROC解析を行い、カットオフ値、感度、特異度を求める。得られたカットオフ値を用いて妥当性検討群に適応し感度、特異度を再評価する。共変量は、転移臓器個数、併用化学療法、治療ライン。
【結果】189例の症例でCT検査1189回実施され、規定を満たす診断データセットは検査638回。CT画像診断間隔中央値は12週間。画像増悪イベントは243回。探索群318回、妥当性検討群320回に分けられ両群の共変量に偏りなし。探索群における単変量解析で4、8、12週前からのCEA、CA19-9の増加割合、高次治療ラインで画像診断による増悪イベントのオッズ比が有意に高値。多変量解析により、CEAは12週前からのCEA増加割合(⊿12CEA)のみが、CA19-9は12週前からのCA19-9増加割合(⊿12CA19-9)のみが独立した関連因子。画像診断増悪のイベントに対する⊿12CEAのROC解析はAUC0.73、カットオフ値1.22倍、感度0.62、特異度0.73。同様に、⊿12CA19-9のROC解析はAUC0.80、カットオフ値1.22倍、感度0.84、特異度0.73。得られたカットオフ値を用いて妥当性検討群に適応し再評価すると、⊿12CEAは感度0.74、特異度0.53、正診率0.62、⊿12CA19-9は感度0.70、特異度0.65、正診率0.67と同程度または低い診断能となり妥当性検討でも大きな乖離は認めない。
【結語】3か月前との比較で腫瘍マーカーの増加をもって増悪診断することは、感度、特異度とも70%前後にとどまり3か月毎のCT画像診断の代替指標とするには不十分である。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:診断

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