演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第52回・2014年・横浜
 

オキサリプラチンの末梢神経障害に対するノイロトロピン錠®の効果検討

演題番号 : P39-3

[筆頭演者]
三浦 ひとみ:1 
[共同演者]
新屋 幸子:1、大迫 政彦:2、田畑 峯雄:2、石崎 直樹:2、渡邊 照彦:2、槐島 健太郎:2、森本 喜博:2、柿本 智広:3、中島 誠:3、門野 潤:4、井本 浩:4、中薗 俊博:4、基 俊介:4、井上 真岐:4

1:鹿児島市医師会病院看護部、2:鹿児島市医師会病院外科、3:鹿児島市医師会病院薬剤部、4:鹿児島大学大学院医歯学総合研究科心臓血管・消化器外科学分野

 

【はじめに】切除不能再発大腸癌の標準治療としてオキサリプラチン(以下OX)を含む多剤併用療法が推奨されており、当院では原則として一次治療にOXを含むレジメンを使用している。OXを用いた場合、問題となる有害事象は主に末梢神経障害とアレルギー症状である。特に末梢神経障害は慢性化すると、長い期間患者の苦痛となりうるので有効な対策が求められる。先行研究では「ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤(以下ノイロトロピン錠®)を予防的に投与し、OXを含むレジメンにおいてGrade2の末梢神経障害出現が減少した」という報告があった。
【目的】OXを含むレジメンを使用する患者に予防的にノイロトロピン錠®を投与し、Grade2以上の末梢神経障害が出現することなく治療できる期間を把握し有効性を検討する。
【対象】2013年4月以降に切除不能再発大腸癌に対しOXを含むレジメンを導入した患者12名である。
【方法】対象患者全例に治療開始日よりノイロトロピン錠®を4錠/日(分2)で投与し、Grade2の末梢神経障害が出現するまでの期間を検証した。
【結果】治療レジメンはXELOX/Bmab8例、SOX/Bmab3例、FOLFOX4/Bmab1例で、平均年齢は55.8歳(31-79)、性別は男性9例、女性3例であった。12例中7例では末梢神経障害の悪化を認めず治療継続中であり、5例では治療を中止した(末梢神経障害の出現、CR、PD、手術移行、肺炎発症が各々1例ずつ)。治療開始126日目に末梢神経障害が出現し治療を中止した1例は、CT検査でSD評価となりOXを休薬しカペシタビン/Bmabレジメンに変更し無増悪生存中である。治療開始224日目にCRを確認した1例は、治療を中止し無再発生存中である。
【考察】今回は症例数が少なく観察期間も短いために十分な検証とはなっていないが、ノイロトロピン錠®投与の有用性が示唆された。OXを一次治療で使用し、治療が奏効していたにもかかわらず末梢神経障害で治療を中止した場合には、症状の回復を待ってOX再投与する可能性がある。また三次治療以降にOXを含むレジメンを再度施行する場合もあり得る。できる限り末梢神経障害の出現を遅らせ、慢性的な末梢神経障害への移行を防止することは、長期的治療戦略に大きな影響を及ぼすこととなる。今後も慎重に経過を観察すると共に、若干の文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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