演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

内視鏡的切除の適応外病変における内視鏡治療の可能性

演題番号 : OS11-2

[筆頭演者]
後藤田 卓志:1 

1:東京医科大学 消化器内科

 

内視鏡的切除の対象となる早期胃癌は、胃癌治療ガイドラインが示すとおり2cm以下の分化型cT1aである絶対適応病変と相対適応である適応拡大病変の2つに分けられる。しかし、いずれの適応も対象となる病変は、リンパ節転移の可能性が極めて低いことと腫瘍が一括で切除できる大きさと部位にあること、が必須となる。この原則に従うと、内視鏡的切除の適応外病変における内視鏡治療の可能性には以下の2つが考えられる。1つ目は、リンパ節転移の可能性は極めて低いが腫瘍を一括で切除することが内視鏡的には困難である場合である。この場合の治療にはリンパ節廓清の必要がないので、胃の機能温存という観点からは内視鏡的全層切除(EFTR; Endoscopic full thickness resection)やLECS(Laparoscopic endoscopic cooperating surgery)などの腹腔鏡と内視鏡との協同手術が有望な治療方法と思われる。2つ目は、内視鏡的に腫瘍の一括切除が可能であるがリンパ節転移の可能性が少なからず考慮される場合である。その上で、胃の機能温存を考慮した場合の内視鏡治療の可能性としては腫瘍の内視鏡的切除+リンパ節廓清が考えられる。現在報告されている手技としては、ESD(Endoscopic submucosal dissection)にて腫瘍を切除した後に腹腔鏡下にリンパ節廓清を行う方法で、sentinel node conceptに基づいたアプローチも応用されている。早期胃癌は標準治療を施行すればほぼ根治できる癌腫である。よって、minimally invasive surgeryを追求するあまりに根治性を低下させては意味がない。しかし、治療技術の進歩や革新的な診断技術の開発は現時点ではchallengingでも次世代ではstandardとなる可能性もある。現時点では適応外の病変に対する標準的ではない内視鏡治療の可能性について考察する。

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