演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

子宮体部・卵巣同時発生重複癌の臨床的検討(子宮体癌卵巣転移との比較検討)

演題番号 : O28-6

[筆頭演者]
河合 要介:1 
[共同演者]
笹本 香織:1、近藤 紳司:1、中西 透:1

1:愛知県がんセンター中央病院 婦人科

 

【目的】
子宮体癌および卵巣癌の重複症例はしばしば経験され、一方の癌の転移であるかまたは同時発生の重複癌であるか診断に苦慮する場合がある。重複癌か転移癌かの診断によって、臨床的取扱いやその予後について差があり、一般臨床においてこれらの鑑別はとても重要である。そこで、当院において経験した子宮体部・卵巣同時発生重複癌症例の臨床病理学的背景、予後について検討した。
【方法】
1990年から2012年に当院で経験した術後病理組織検査にて同時発生の子宮体癌と卵巣癌を認めた13例を対象とし、臨床病理学的因子について解析した。また、予後について同時期に当院で経験した子宮体癌卵巣転移の症例と比較検討した。
【成績】
対象症例の平均年齢は51.7歳(38-61歳)、閉経前の割合は53.8%、平均BMIは23.9(17.3-31.1)であった。リンチ症候群の症例は認めなかった。組織型において子宮体癌はすべて類内膜腺癌であり、子宮・卵巣ともに類内膜腺癌であった症例が10例(76.9%)と最も多かった。残りの3例は卵巣癌において組織型が異なっていた。また、分化度については子宮体癌においてはGrade1の症例が7例(53.8%)と最も多かったが、卵巣癌においてはGrade3の症例が5例(38.5%)と最も多かった。手術進行期については子宮体癌・卵巣癌ともに I期であった症例が5例(38.5%)であった。無増悪生存期間の中央値は78.4ヶ月、全生存期間の中央値は151.4ヶ月であった。5年無病率は65.3%、5年生存率は78.9%であり、子宮体癌卵巣転移症例の5年生存率(86.2%)と比較し悪い傾向にあった。
【結論】
子宮体部・卵巣同時発生重複癌では、病理組織学的に類内膜腺癌であることが多く、早期症例の占める割合が高い。進行例では従来の病理組織学的検討のみでは鑑別が困難な症例もあり、今後重複癌の診断をより確実に行うためには分子生物学的解析も必要であろうと考えられた。リンチ症候群の臨床基準を満たす症例はなく、遺伝的素因が強く関与するとは言えないことが示唆された。重複癌の方が子宮体癌卵巣転移より予後が悪いことからも、卵巣癌の病期、組織型が予後規定因子である可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:診断

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