演題抄録

一般演題(示説)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

卵巣癌術後にPET/CTが偽陽性であった1例

演題番号 : P92-6

[筆頭演者]
古株 哲也:1 
[共同演者]
真山 学徳:1、小出 菜月:1、鵜飼 真由:1、近藤 真哉:1、邨瀬 智彦:1、宮崎 のどか:1、原田 統子:1、岸上 靖幸:1、小口 秀紀:1、北川 諭:2

1:トヨタ記念病院 産婦人科、2:トヨタ記念病院 臨床検査科 病理

 

【緒言】鋭敏な腫瘍検出能力のあるPET/CTは、再発卵巣癌の診断において有用性が報告されている。しかし、活動性の炎症や肉芽腫などの病変への集積の問題もあり、FDGの異常集積を認めた場合、画像診断のみで良性か悪性かを厳密に鑑別することは困難である。今回、われわれは卵巣癌術後に臍周囲の腹壁瘢痕部、肺および縦隔リンパ節にFDGの異常集積を認め、転移を疑ったが悪性所見を認めなかった症例を経験したので報告する。【症例】患者は66歳。3経妊3経産、42歳閉経。近医より骨盤内腫瘍を指摘され当院を紹介受診した。初診時のCA125は486 U/mLと高値であった。悪性卵巣腫瘍の診断で子宮全摘出術、両側付属器摘出術、大網切除術、骨盤リンパ節郭清および傍大動脈リンパ節郭清を施行し、optimal surgeryであった。病理組織診断はendometrioid adenocarcinoma, G2で後腹膜リンパ節転移は認めなかったが、大網に1.8 cmの播種を認め、手術進行期は Stage 3b (pT3bN0M0)と診断した。腹水細胞診は陽性であった。adjuvant chemotherapyとしてPaclitaxel(175 mg/m2)、Carboplatin(AUC 5)併用化学療法を6コース施行した。術後CA125は18 U/mLまで低下したが、術後7ヵ月にCA125は26 U/mLまで上昇し、PET/CTでは臍周囲の腹壁瘢痕部にFDGの異常集積を認めた。卵巣癌臍転移を疑い、腹壁腫瘍摘出術を施行した。病理組織診断は乾酪壊死を伴う類上皮肉芽腫で、結核と診断し抗結核治療を施行した。その後の経過は良好で、外来にて経過観察を行っていたが、術後2年8ヵ月のPET/CTで右肺S6および縦隔リンパ節にFDGの異常集積を伴う多発結節影を認めた。CA125は16 U/mLであったが、右肺S6の結節は徐々に増大傾向を認め、原発性肺癌、卵巣癌肺転移の可能性も否定できず、診断目的に胸腔鏡下右肺部分切除術および縦隔リンパ節生検を施行した。病理組織診断では右肺S6病変、縦隔リンパ節ともに類上皮肉芽腫で、一部に壊死を伴ったが、悪性所見や抗酸菌は認めなかった。その後の経過は良好で、術後5年5ヵ月経過した現在、再発徴候はなく外来経過観察中である。【結論】PET/CTは卵巣癌の診断において有用な検査であるが、本症例のように偽陽性例も認めるため、再発との鑑別には病理組織学的評価を含め慎重に行う必要がある。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:診断

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