一般演題(示説)
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心肺腎合併症患者の胃切除は安全に行えるか 演題番号 : P82-3
1:徳島大 消化器・移植外科学
【はじめに】高齢者に対する外科手術は増加しており、高齢者においては加齢に伴う主要臓器の機能低下や併存疾患を有することが多い。近年では周術期管理の進歩により高リスクの高齢者患者に対しても,比較的安全に手術を施行できるようになってきた。今回、重篤な術前合併症を有する胃癌症例に対する手術成績について検討した。【対象】2004-10年に胃癌に対して手術を施行した366例を対象とし、負荷心電図・心エコー検査異常or治療歴を有する心疾患合併17例(心群)、スパイロメータで異常を有する肺疾患合併22例(肺群)、透析3例を含む腎不全 9例(腎群)、合併症重複8例(心肺2, 心腎3, 肺腎3)を心肺腎合併症がない310例(対照群)と比較検討した。【結果】各群の患者背景に差はなく、手術因子、在院日数においても差を認めなかった。合併症重複群は他群と比較して高齢であった。術後合併症発症率は各群で差はなく、周術期死亡例を認めなかった。また心肺腎合併症の術後増悪は1例(肺炎)のみであり、大半は手術関連合併症であった。【結論】重篤な心肺腎合併症をもつ胃癌症例であっても術後の増悪はなく、手術関連合併症においても健常群と差がないことから安全に施行可能である。
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