演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

緩和治療における十二指腸ステントの役割

演題番号 : O140-5

[筆頭演者]
木全 大:1 
[共同演者]
星野 好則:1、篠崎 浩治:1、尾形 佳郎:1

1:済生会宇都宮病院 外科

 

【はじめに】末期癌においてQOLを低下させる原因の一つに経鼻胃管がある.消化管閉塞等により経鼻胃管の留置を余儀なくされ,咽頭痛,鼻孔のびらん等により苦痛を生じることも多い.2010年に保険収載されてから当院で挿入した十二指腸ステント18例についてその後の経口摂取,経鼻胃管挿入の有無等から患者のQOLの向上に寄与しているのかどうか検討した.【症例】2010年から2012年までに当院で十二指腸ステントを挿入した18例.内訳は,胃癌7例,残胃癌2例,下部胆管癌2例,胆嚢癌1例,膵癌4例,乳頭部癌1例,膀胱癌1例.【結果】ステント挿入後生存期間平均は167.9日(最小1日,最大807日),食事摂取可能日数平均は157.1日(最小0日,最大805日)で食事摂取不能期間は平均10.8日であった.通常ステント挿入後2日程度で食事再開することが多いため,比較的死亡直前まで何らかの経口摂取が可能であったことが示唆される.また現在生存も5例あるが,経鼻胃管が必要であった症例は膵癌と膀胱癌の2例だけであった.食事摂取不能期間を疾患別でみると胃癌,残胃癌が最小で7.0日,胆囊,胆管癌が8.7日,膵癌が最大で21.3日であった.【考察】通常末期癌で経鼻胃管が必要となる原因は2つある.1つは癌による消化管閉塞.もうひとつは播種による蠕動の低下,いわゆる麻痺性イレウスである.麻痺性イレウスでは十二指腸ステントの効果はあまり期待できないはずだが,今回の結果ではステントを入れた症例にはあまり播種による麻痺は起きていない.つまり癌が進行し十二指腸が閉塞した時点でも播種がない症例がステント留置の適応になるため,その後も播種がおこりにくいのだろうと考えられた.また一般的に予後が3ヶ月以上ないとステント留置の適応にならないと言われているが,実際は3ヶ月未満の転帰であった症例でもQOLの維持という点ではステントの十分な適応になると考えられた.【結論】末期癌の緩和治療において十二指腸ステントは患者のQOLの維持に貢献する可能性がある.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:緩和医療

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