演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

子宮頸がんの術前化学療法: 局所進行子宮頸癌に対する非放射治療

演題番号 : OS25-1

[筆頭演者]
的田 眞紀:1 
[共同演者]
谷川 輝美:1、潮田 至央:1、末岡 幸太郎:1、岡本 三四郎:1、山本 阿紀子:1、坂本 公彦:1、川又 靖貴:1、尾松 公平:1、加藤 一喜:1、馬屋原 健司:1、竹島 信宏:1

1:がん研有明病院 婦人科

 

【はじめに】子宮頸癌治療では放射線治療が切り離せないものとなっている。その中で、当院では局所進行子宮頸癌に対して非放射線治療に取り組んできた。再発リスク因子を持つ症例に対する術後化学療法の導入や、術前化学療法(Neoadjuvant chemotherapy; NAC)で化学療法への反応を確認し広汎子宮全摘術を施行、再発リスク因子に関わらず術後化学療法を行う治療方法である。今回はNACを行った症例を後方視的に検討した。【対象】2005年から2011年までに当院でNACを行った86症例。【結果】扁平上皮癌55症例、腺癌31症例で、奏効率は扁平上皮癌(SCC)67.2%、腺癌(AC)77.4%であった。NACにより4症例がpathological CRを得られた。非放射線治療から逸脱となったのは9症例で、術後放射線療法5症例、術後治療が施行できなかった4症例であった。NACで治療開始した全86症例の2年無病生存率・無病生存期間中央値・局所再発率・遠隔再発率はSCCで85.3%、59.6カ月、7.2%、10.9%、ACで66.5%、49.0カ月、19.3%、19.3%であった。術後病理結果で低リスク群13例(浅い間質浸潤)と中リスク群23例(脈管侵襲・深い間質浸潤・腫瘍径4cm以上)での再発はSCC1例のみであったが、高リスク群50例(リンパ節転移・傍子宮組織浸潤)での再発は 19例であった。高リスク群では、リンパ節転移がSCCで3個以下、4個以上で2年無病生存率83.3%、42.9%、ACで2個以下、3個以上で2年無病生存率64.8%、14.8%であり、有意差が認められた。【結語】子宮頸癌におけるNACの奏功はある程度期待でき、NACにより病理学的CRが得られ、再発リスクが低減し予後良好な症例も認められた。NACを含めた非放射線治療により局所再発の増加は認められず、非放射線治療の有用性が示された。しかし、腺癌では遠隔・局所再発は高率に認められた。NAC後高リスク因子のある症例の中でも、リンパ節転移の多く残存した症例では、非放射線治療ではなくその他の強力な治療を要すると考えられる。

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