演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

5年以上の長期生存例からみた進行大腸癌の治療

演題番号 : O122-4

[筆頭演者]
傳田 忠道:1 
[共同演者]
辻本 彰子:1、杉田 統:1、新井 裕之:1、喜多 絵美里:1、中村 奈海:1、相馬 寧:1、鈴木 拓人:2、須藤 研太郎:1、中村 和貴:1、三梨 桂子:3、廣中 秀一:3、原 太郎:2、滝口 伸浩:4、山口 武人:1

1:千葉県がんセンター 消化器内科、2:千葉県がんセンター 内視鏡科、3:千葉県がんセンター 臨床試験推進部、4:千葉県がんセンター 消化器外科

 

【背景】進行大腸癌はオキサリプラチンやベバシズマブ・抗EGFR抗体薬が登場してから長期生存も望めるようになった。しかし5年生存例はまれである。
【目的】進行大腸癌に化学療法を行って5年以上生存した症例を調査し長期生存を目指す治療を模索した。
【方法】2005年5月から2012年8月までに化学療法を施行した進行大腸癌を5年以上生存例(A群)と5年以内死亡例(B群)に分け患者因子と治療因子をretrospectiveに比較した。検定はカイ二乗検定を用いp<0.05を有意差ありとした。
【結果】化学療法を行った進行大腸癌は505例であった。172例は生存中で、287例は死亡、46例は緩和治療のため転院した。5年以上生存例は23例(4.6%)であった。内訳は、化学療法継続中8例、CRで無治療5例、5年以上生存後死亡が10例であった。5年以上生存した23例(A群)と5年以内に死亡した277例(B群)を比較検討した。
 患者因子では原発巣が直腸・S状結腸症例はA群87%:B群66% (p=0.04)、転移臓器数(1/2/3以上)はA群75% / 21% / 4%:B群45% / 38% / 17%(p=0.02)、CEA 10 ng/ml未満はA群77%:B群28%(p<0.001)とA群の症例が有意に多かった。性別(男性比率) A群65%:B群 63%、年齢(65歳以上の比率) A群52%:B群41%、PS(0/1/2) A群100% / 0% / 0%:B群96% / 2% / 2%、組織型分類(pap / tub1 / tub2 / por / muc) A群0% / 55% / 45% / 0% / 0%:B群0% / 26% / 64% / 7% / 3%、KRAS遺伝子野生型 A群88%:B群75%では差は認めなかった。
 治療因子では、原発巣切除A群100%:B群81%(p=0.04)、化学療法後に切除A群54%:B群4%(p<0.001)の症例が有意に多かった。薬剤投与はoxaliplatin A群100%:B群97%、bavacizumab A群65%:B群62%、抗EGFR抗体薬 A群39%:B群36%と差は認めなかった。A群の切除部位は肝転移4例、肺転移3例であった。既治療例に対する治験でregorafenib 1例、TAS-102 1例で奏効し5年以上生存に達した。
【考察】A群は患者側の予後良好な因子(CEA低値、転移臓器1のみ)に加え、化学療法後に切除手術ありの症例の頻度が有意に高かった。また治験薬が奏効し5年生存した症例も2例認めた。B群で原発切除が有意に少なかった理由は進行例が多く人工肛門造設やバイパス手術で終わった症例が多かったためと考えた。
【結語】化学療法が奏効し切除手術が可能な進行大腸癌には手術を積極的に行うことが長期生存につながる。また今後の新規薬剤の登場で進行大腸癌の生存期間の延長が期待できる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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