演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

シスプラチン抵抗性尿路癌に対するゲムシタビン、パクリタキセル併用療法の多角的検討

演題番号 : O12-3

[筆頭演者]
宮田 康好:1 
[共同演者]
光成 健輔:1、浅井 昭宏:1、松尾 朋博:1、大庭 康司郎:1、酒井 英樹:1

1:長崎大学病院 泌尿器科

 

(背景)尿路癌に対してcisplatin(CDDP)を含むレジメンの有効性が知られている一方、CDDP抵抗性となった進行癌に対するsecond line以降の治療法は未だに確立されていない。我々は、倫理委員会における審査・承認など然るべき手続きを経て、CDDP抵抗性進行尿路癌患者に様々な投与スケジュールによるgemcitabine(GEM)とpaclitaxel(PTX)の併用療法(GP療法)を行ってきた。今回、このようなGP療法の各種レジメンについて、その抗腫瘍効果やquality of life(QOL)に与える影響、さらに、有害事象や地域連携における有用性を多角的に検討した。(方法)CDDPを含む化学療法後に進行した尿路癌患者の内、GP療法を施行した61名を対象とした。GP療法はGEM:700mg/m2+PTX:70mg/m2をday 1と8に投与する低用量GP療法(n=37)と、それ以外のレジメン(GEM: 1000-1500mg/m2、PTX:100-250mg/m2, n=24)に分類した。抗腫瘍効果はResponse Evaluation Criteria in Solid Tumors guideline version 1.1.を、QOLはvisual analogue scale(VAS)および薬物療法におけるQOL調査票(栗原班調査票)を用い検討した。(結果)低用量GP療法は全例で外来治療が可能で、有害事象を理由とした入院は1名もなかった。一方、その他のGP療法ついては、血液毒性等で予定スケジュールを遂行できない患者もあり、外来で継続的に治療できた患者は3名であった。抗腫瘍効果は、低用量GP療法でcomplete responseが得られた患者はいなかったが、10名(27.0%)にpartial responseが得られ、1年生存率は56.8%と他のレジメンと差はなかった。また、低用量GP療法ではVAS、QOLスコアーとも他のGP療法よりも良好な結果が得られ、特に社会性や精神・心理状況の改善が見られた。また、地域の在宅医療システムと連携した6名では、都市部に在住の5名は全例で在宅での治療および看護で看取ることができた。離島在住の1名も在宅での治療、看護は可能であったが、終末期の約2週間は地域中核病院に入院した。(結論)GP療法はsecond line以降の治療として比較的安全に施行可能で、抗腫瘍効果も期待できると思われた。しかし、他のレジメン同様に根治性や著明な予後延長は厳しく、有害事象が少なく外来治療が可能であり、除痛効果やQOLの維持の点から在宅での治療や看護に有利である低用量GP療法が有用だと示唆された。また、在宅医療システムとの連携は、よりQOLを維持した終末期医療に有益であった。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:化学療法

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