ポスター
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p2PSA関連パラメーターは監視療法1年目生検の病理学的悪化の予測因子である 演題番号 : P-394
1:香川大学・泌尿器科、2:北海道大学・泌尿器科、3:東北大学・泌尿器科、4:東京慈恵会医科大学・泌尿器科、5:新潟県立がんセンター新潟病院・泌尿器科、6:四国がんセンター・泌尿器科、7:京都大学・泌尿器科、8:和歌山県立医科大学・泌尿器科
【背景と目的】
世界最大の前立腺癌に対する監視療法の前向き観察研究であるPRIAS studyに、わが国も2010年からPRIAS-JAPANとして参加している。そのなかで、2013年より前立腺癌の悪性度予測の指標として、PSAの前駆体であるp2PSAの有用性をPRIAS-JAPANの附随研究として検討している。今回、監視療法開始時と1年目のプロトコール生検(1yrPBx)直前のp2PSA関連パラメーターが1yrPBxの病理学的悪化の予測因子となるか検討した。 【対象と方法】 患者適格規準は、臨床病期:T1c/T2、PSA:10ng/ml以下、PSA density(PSAD):0.2ng/ml/cc未満、陽性コア本数:2本以下(テンプレート生検の場合は陽性コア率15%以下かつ4本まで、MRI所見に基づく狙撃生検の場合は陽性コア数の上限なし)、グリーソンスコア:6以下(70歳以上は3+4=7まで)である。3か月毎のPSA採血と6か月毎の直腸診、1、4、7年目、10年目、以降は5年毎に前立腺再生検を行い、病理学的悪化もしくはPSA倍加時間≦3年で積極的治療が勧告されるというプロトコールに従っている。2013年8月から2018年7月までに監視療法開始時から定期的p2PSA採血と1yrPBXが実施された症例を対象とした。1yrPBx結果に対するp2PSA関連パラメーターの診断能の検討にはROC解析を用いた。 【結果】 対象は138例。監視療法開始時の患者背景は年齢(中央値):68歳、PSA(同)5.5ng/mL、free PSA(同)0.9ng/mL、p2PSA(同)14.4、phi(同)39.9,癌陽性コア数:1本99名、2本39名、臨床病期:T1c 122名、T2 16名。1yrPBxでの病理学的悪化は37名に見られた。ROC解析による1yrPBxの病理学的悪化の有意な予測因子は%p2PSA(開始時;p=0.038)、%p2PSA(1年目生検前;p<0.001)、phi(1年目生検前;p<0.001)、p2PSA DT(1年目生検前;p=0.012)であり、最も診断能の高い%p2PSAのカットオフ値を35.9とした時の感度は53.5%、特異度は10.6%であった。 【結語】 1yrPBxの病理学的悪化の予測にp2PSA関連パラメーターは有用と考えられた。 |
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