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当院における遠隔転移を伴った閉塞性大腸癌に対する大腸ステント留置の現状 演題番号 : P-133
1:岐阜大学附属病院・腫瘍外科、2:岐阜大学附属病院・高度先進外科
【はじめに】近年、大腸ステントは姑息的治療のみならずBridge to surgery(BTS)として閉塞性大腸癌に対して使用されるようになった。しかしながらBTSを目的としたステント留置には未だ一定の見解がないのが現状である。今回我々は、当施設で施行した遠隔転移を伴った閉塞性大腸癌に対する大腸ステント留置の現状を報告する。【目的】2013年6月から2019年12月までに当院で閉塞性大腸癌に対して施行した大腸ステント留置のうち遠隔転移を伴っていた26例を対象とした。【結果】年齢は平均59.6歳(31-82歳)、男性15例、女性11例。病変部位は上行結腸2例、横行結腸1例、下行結腸4例、S状結腸9例、直腸S状部7例、直腸(Ra)3例。遠隔転移巣は肝21例、肺11例、腹膜播種6例、大動脈周囲リンパ節2例(重複あり)。大腸ステント留置における合併症は穿孔が1例で、全例に原発巣切除術が施行された。開腹手術8例、腹腔鏡手術18例。4例は原発巣切除前に化学療法を施行しており、22例についてのステント留置から手術までの平均期間は12.4日(0-29日)であった。平均手術時間は250.7分(127-587分)、平均出血量は124ml(0-670ml)であった(同時肝切除1例を含む)。平均術後入院期間は16日(7-45日)で、Clavien-Dindo分類IIIb以上の合併症は認めなかった。術後に化学療法を23例で施行し、遠隔転移巣に対する手術を10例に施行した。全例における生存期間中央値は31.1か月であった。【結論】短期成績、長期成績ともに比較的良好な成績であった。まだ症例数も少なく、観察期間も短いため、更なる症例の蓄積が必要である。
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