演題抄録

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開催概要
開催回
第58回・2020年・京都
 

胃癌TNM分類におけるリンパ節微小転移の検討

演題番号 : P-115

[筆頭演者]
山本 淳史:1 
[共同演者]
庄田 勝俊:1、芦沢 直樹:1、赤池 英憲:1、河口 賀彦:1、齊藤 亮:1、滝口 光一:1、原 倫生:1、古屋 信二:1、細村 直弘:1、雨宮 秀武:1、川井田 博充:1、須藤 誠:1、河野 寛:1、市川 大輔:1

1:山梨大学・第一外科

 

【背景】胃癌TNM分類で、リンパ節内の転移巣が2000µm以下の症例はmicro metastasisと定義されている。しかし、micro lymph node metastasisが予後に与える影響に関する検討はほとんどない。
【方法】当施設における2004年から2018年の胃癌手術症例において、病理組織学的診断でpN1(リンパ節転移2個以下)と診断された120例の転移リンパ節のHE染色標本を後方視的に検討し、微小転移が予後に与える影響を解析した。
【結果】リンパ節転移巣が2000µm以下である微小転移症例は48例認めたが、転移巣が2000µmより大きい群と予後に有意差は認めなかった。一方、cut-off値を1500µmと設定した微小転移(miN)群42例、非微小転移(non-miN)群78例の5年生存率はそれぞれ76.8%、52.8%(p=0.0124)であり、Cox hazard解析においてもmiN群が独立した予後因子として選択された。
Non-miN群におけるサブグループ解析では術後補助化学療法を施行した群で非施行群と比較し有意に予後が良好であったが(p=0.00301)、miN群におけるサブグループ解析では術後補助化学療法の有無で予後に有意差を認めなかった。
【結語】胃癌リンパ節の微小転移を1500µm以下として検討すると、微小転移群は非微小転移群と比較して有意に予後が良好であり、微小転移群は術後補助化学療法の有無で予後に有意差を認めなかった。リンパ節微小転移であれば、術後補助化学療法を省略可能な症例が存在する可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:ガイドライン

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