口演
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進行再発大腸癌に対する1次治療としてのCAPOX(L-OHP 100mg/m2)+BEV療法の有効性の検討 演題番号 : O28-2
1:りんくう総合医療センター・外科、2:大阪国際がんセンター・腫瘍内科、3:大阪労災病院・外科、4:堺市立総合医療センター・外科、5:大阪医療センター・外科、6:関西労災病院・外科、7:大阪府済生会千里病院・外科、8:近畿中央病院・外科、9:市立東大阪医療センター・外科、10:大阪国際がんセンター・消化器外科、11:大阪大学・先進癌薬物療法開発部、12:大阪大学・消化器外科、13:大阪大学消化器外科共同研究会・大腸疾患分科会
[背景] 治癒切除不能・進行再発大腸癌における1次治療としてCAPOX+Bevacizumab併用療法は推奨され、また実臨床では施行されていることが多い。しかしながら、諸家の報告では好中球減少や末梢神経障害などの有害事象によりL-OHPのdose intensityは80-90%であり、EFC2962試験ではL-OHPの総投与量が680mg/m2で奏効率が一定するとの報告されている。今回われわれは、高齢者やPS不良者ではL-OHPを100mg/m2から開始することにより、有効性を低下させることなく有害事象を減少する可能性を検討した。
[対象と方法] 2012年8月から2015年7月までに多施設において、初回治療の治癒切除不能・進行再発大腸癌のPS1-2の56症例を対象として、1次治療としてのCAPOX(L-OHP 100mg/m2)+Bevacizumab併用療法の有効性・安全性評価を目的としてPhaseⅡ試験(UMIN000007662)を実施した。3週を1コースとして、L-OHP 100mg/m2、Bevacizumab 7.5mg/kgをday1に点滴静注し、Capecitabineは2000mg/m2を1日2回内服し、2週間投与後に1週間休薬した。登録された56例中の3例(1例 不適格, 2例 同意撤回)を除いた53例を解析対象とし、主要評価項目として奏効率、副次的評価項として無増悪生存期間、全生存期間、1年生存率、病勢コントロール率、奏功期間、Dose intensity、安全性を検討した。 [結果] 患者背景は平均年齢;72(45-86)歳、性別(男性/女性);31/22例、PS1/2;49/4例、抗腫瘍効果はCR 3例, PR 22例, SD 15例, PD 9例, NE 4例で、奏効率(CR+PR);47.1% (25/53例)、病勢コントロール率(CR+PR+SD);75.5% (40/53例)、無増悪生存期間;11.4ヶ月(95%信頼区間:8.4-12.7ヶ月)、1年生存率;82.7%、Dose intensity;81.1%、全生存期間;26.5ヶ月(95%信頼区間:19.1-33.3ヶ月)であった。Garde3以上の血液毒性は白血球減少 8例(15.1%)、好中球減少 5例(9.4%)で、Grade3以上の非血液毒性は末梢神経障害 5例(9.4%)、高血圧 5例(9.4%)であった。 [結論] 本臨床試験において、PS1-2を対象とした1次治療としてのCAPOX(L-OHP 100mg/m2)+Bevacizumab併用療法は有害事象の発現率を低下させ、治療効果を損なわない有用なレジメンであることが示唆された。 |
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