演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

化学療法中の切除不能進行胃癌に対する緩和手術の短期および長期成績

演題番号 : OS20-7

[筆頭演者]
ゆう 賢:1 
[共同演者]
岩崎 善毅:1、矢島 和人:1、大日向 玲紀:1、高橋 慶一:1、山口 達郎:1、松本 寛:1、中野 大輔:1、瀧下 智恵:1、鈴木 邦士:1、前田 義治:2、小室 泰司:2、佐々木 栄作:2、下山 達:2

1:がん・感染症セ 都立駒込病 外科、2:がん・感染症セ 都立駒込病 化学療法科

 

【背景】切除不能進行胃癌に対する現時点での第一選択の治療は,S-1を中心とした化学療法である.しかしながら,化学療法中に出血や通過障害などの切迫症状を改善するために緩和手術を余儀なくされることがある.緩和手術の適応,術式の決定など苦慮することが多く,またその治療効果についても十分な検討がなされていない. 【対象・方法】2002年4月から2012年3月まで,当院で切除不能進行胃癌と診断され,化学療法治療中に出血,穿孔や通過障害などで緊急もしくは準緊急で緩和手術を行った患者18名.男性11名,女性7名,年齢の中央値は65歳(範囲,43-83歳).緩和手術を受けた18名の短期成績および長期成績を後方視的に検討した.【結果】手術を選択した理由は出血が2名,穿孔が2名,通過障害が9名,その他が5名であった.手術術式は胃全摘術が9名,幽門側胃切除術が3名,噴門側胃切除術が1名,バイパス手術が4名,胃瘻造設が1名であった.手術時間の中央値は179分(範囲,79-271分),出血量の中央値は425 ml(範囲,0-2600 ml)であった.術後在院日数の中央値は14.5日(範囲,7-400日)であった.術後合併症は5名(27.8%)に認め,縫合不全が1名,MRSA肺炎が1名,誤嚥性肺炎が1名,創感染が2名であった.手術関連死亡は認めなかったが,術後退院できず,他院へ転院して緩和治療を継続した症例を1名認めた.術後に化学療法を継続できた症例は15名(83.3%)で,術後化学療法の継続期間の中央値は185日(範囲,7-1359日)であった.治療開始からの1年生存率は58.8%,3年生存率は20.6%で,生存期間の中央値は488日で,手術からの1年生存率は41.5%,3年生存率は20.7%,中央値は302日であった.【結語】切除不能進行胃癌の化学療法中のオンコロジーエマージェンシーに対する緩和手術は,安全に施行可能で,術後の化学療法継続率も高い.また術後の生存期間も約10か月あり,緩和手術は妥当である.適応症例の慎重な選別が必要であるが,少なくとも胃切除術を含めた外科的治療が化学療法継続を困難にすることはない.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:集学的治療

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