演題抄録

一般演題(口演)

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

非切除進行食道癌に対するDocetaxel/TS-1併用化学放射線療法の成績ーPhaseII trial

演題番号 : O94-5

[筆頭演者]
松本 英男:1 
[共同演者]
村上 陽昭:1、窪田 寿子:1、東田 正陽:1、余田 栄作:3、平塚 純一:3、春間 賢:2、中村 雅史:1、平井 敏弘:1

1:川崎医科大学 消化器外科、2:川崎医科大学 消化管内科、3:川崎医科大学 放射線科

 

(はじめに)食道癌に対する化学放射線療法は有効である。切除不能進行食道がんに対する標準治療はCDDP/5-FUと放射線の併用療法であり有効な治療法ではある。しかしながら、持続点滴が必要なため入院が必要であり、また強い消化管毒性のために患者のQOLは決して良好なものとはいえなかった。TS-1/Docetaxelの併用は特に胃癌において頻用される併用化学療法であり、放射線療法との併用においてはDoxetaxelとともにTS-1のコンポーネントであるGimeracilの放射線増感作用も報告されている。以上のことから、食道癌に対する化学放射線療法の治療成績向上を期待し、TS1/Docetaxel 併用化学放射線療法のPhaseII試験を行ったのでこれを報告する。(対象)2006年9月から2011年11月の間に、T4で遠隔転移のない切除不能食道癌17例と肝転移1例の計18例に施行した。(方法)TS-1は放射線照射開始日よりday 1~14 とday 29~42 に 1日量 60 mg/m2を朝食後および夕食後の1日2回に分けて経口投与した。Docetaxelは day 1、8、29、36点滴靜注した。放射線照射はDay 1より 2Gy/day を週5日間で3週間照射し1週間のresting periodを設け5週目から前半と同じスケジュールで再開し3週間照射した。計30分割でTotal 60Gyの照射を行った。DocetaxelはPhaseIで30mg/m2を推奨投与量としたが、治療関連死を経験し安全評価委員会の勧告により、PhaseIのstep1での投与量20mg/m2に減量して2010年より再開した。(結果)評価可能症例は17例で治療効果はCR4例、PR10 例、SD1例、PD3例であった。奏功率は72.2%で、局所制御率は77.7%であった。3例にsalvage surgeryを行い、1例には胸膜播種に対してDocetaxel/Nedaplatinでの化学放射線療法を行った。5年生存率は29.6%でMSTは15.2カ月であった。1例は後半の治療を外来通院で行った。治療奏功例14例での無増悪生存はMSTが21.4カ月で5年無再発生存率が21.4%であった。主な有害事象はGrade3の白血球減少が2例、Grade4の白血球減少が1例、放射線性肺臓炎のGrade3が2例、放射線性肺臓炎から敗血症に移行した1例は治療関連死となった。(結語)TS1/Docetaxel併用化学放射線療法は高い奏効率と局所制御率を示し、長期生存例も経験した。食道がん治療のひとつの選択肢になりうる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:食道

手法別:化学療法

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