演題抄録

臓器別シンポジウム

開催概要
開催回
第51回・2013年・京都
 

外用療法を中心とした皮膚がん治療の進歩

演題番号 : OS17-4

[筆頭演者]
八田 尚人:1 

1:富山県立中央病院 皮膚科

 

皮膚がんは腫瘍へのアプローチが容易なため、手術や放射線以外に様々な局所療法が施行可能である。これまでもレーザー照射、電気凝固、冷凍凝固、光力学的治療,エタノール局注などの細胞破壊的治療法の他、紫外線照射、ブレオマイシンやインターフェロンの局所注射等が試みられ、最近ではsquaric acid dibtyleste (SADBE)塗布による悪性黒色腫の治療が注目されている。 外用治療としては古くからフルオロウラシル(5-FU)やブレオマイシン硫酸塩軟膏があり、手術の困難なボーエン病などの治療に用いられていた。いずれもラップなどで密封する閉鎖密封療法(occlusive dressing technique; ODT)を必要とするため自宅での治療は難しく、治療部位の潰瘍形成による苦痛が大きい欠点があった。 イミキモドは細胞表面のToll-like receptor 7を介してインターフェロン等のサイトカインを誘導し自然免疫を活性化することで抗ウィルス作用や抗腫瘍効果を発揮する。本邦では5%クリーム剤が2007年7月から尖圭コンジローマの治療薬として使用されていたが、2011年11月に日光角化症の保険適応が追加された。使用法は週3回単純塗擦するだけであり、治療のコンプライアンスが極めてよいユニークな治療法である。イミキモド外用は表皮内がんである日光角化症に対して57-85%と高い有効率を有し、これはこれまでの抗がん剤外用治療と比べて同程度であるが、重篤な全身的副作用が殆どなく外来で治療が可能な利点がある。欧米では表在型基底細胞癌にも承認が得られており、その他の表在性皮膚悪性腫瘍(Bowen病、悪性黒色腫の皮膚転移、菌状息肉症、乳房外Paget病等)に対する有効性も報告されている。本邦では乳房外Paget病の患者が比較的多く、高齢者ではしばしば手術治療が困難な例に遭遇する。イミキモド治療はそのようなstage Iの乳房外Paget病のよい適応といえるが、実際の有効率や副反応の頻度・程度に関しては不明な点が多く、普及のためには今後臨床研究による検証が必要であろう。

前へ戻る