演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

がん治療前から始める就労カードを用いた就労支援

演題番号 : O33-5

[筆頭演者]
松浦 美聡:1,7 
[共同演者]
室田 かおる:1,7、髙原 悠子:2,7、田子森 和子:1,7、佐々木 智子:1,7、森 健:3,7、木全 司:2,7、赤羽 和久:4、若山 尚士:5、山室 理:6

1:名古屋第二赤十字病院・看護部、2:名古屋第二赤十字病院・薬剤部、3:名古屋第二赤十字病院・医療社会事業部、4:名古屋第二赤十字病院・乳腺外科、5:名古屋第二赤十字病院・呼吸器内科、6:名古屋第二赤十字病院・産婦人科、7:名古屋第二赤十字病院・がん患者サポート部会

 

【はじめに】がんの罹患で多くのがん患者・経験者が"就労の壁"に直面している。当院で2014年に化学療法センターで就労に関するアンケート調査を行った結果、がんの診断を契機に約1/3が離職し、そのうち半数が治療前に離職している事が明らかとなった。この結果より、治療前からの就労支援が必要と考え支援体制を整備した。当院における就労支援活動の実態を把握するとともに今後の課題を検討した。
【方法】2016年5月より外来で病名告知をする際に、就労状況の確認と仕事をすぐに辞める必要はないことを告げ、就労カードの配布とチェックシートの記入を行った。チェックシートの結果ならびに支援に関わったスタッフからの聞き取り調査の結果から今後の課題を明らかにした。
【結果】10ヶ月間のチェックシート記載は395件で、就労状況を確認した割合は80%、そのうち有職者は52.4%あった。有職者へ「すぐに辞めなくても良い」と告げた割合は54.6%。就労状況の確認や有職者への声かけは医師、看護師だけでなくメディカルサポート(以下MS)が行う例も多かった。就労カードは77.7%の患者に配布していた。有職者に「すぐに辞めなくても良い」と告げていない数は皮膚科、泌尿器科が多く、就労カードを配布していない診療科は皮膚科、消化器内科が多かった。MSへの聞き取り調査では、自営業者や雇用主である場合は就労カードを配布していないとの回答があった。また、当院が対象としている皮膚がんは外来切除により根治可能な症例が多く、就労への影響がないため支援は行っていなかった。そして、MS配置がない耳鼻咽喉科では有効な支援が実施できていなかった。
【結論】治療前からの就労支援は、告知を行う医師や同席する看護師を中心に行うことが多いが、治療説明が中心となり就労にまで言及できない時は、診療支援を行うMSから相談支援センターの案内がなされていることが分かった。がんと告知した時から就労も含め生活の相談ができる窓口を示すことが重要である。医師や看護師による就労の確認や声かけは就労支援体制構築の中心メンバーの関与する診療科以外では少ない傾向が示されたため、医局会等を通じて支援活動の水平展開や広報活動を行っていく必要がある。また、認定看護師ががん告知に同席できていない診療科では支援件数が低い傾向にあり、がん告知の体制整備が望まれる。今後もMSを含めたチームとしての就労支援体制整備を進めていきたい。

キーワード

臓器別:その他

手法別:チーム医療

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