演題抄録

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開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

高齢がん患者と家族への相談支援における課題と相談員に求められる役割

演題番号 : P111-6

[筆頭演者]
高橋 朋子:1 
[共同演者]
八巻 知香子:1、高山 智子:1

1:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター

 

【背景】
高齢がん患者と家族の相談件数は増加し、家族形態の変容によるキーパーソンの不在や重複疾患による治療選択の困難など、相談員が日々の支援に困難を感じていることが報告されている。本研究では、高齢がん患者の相談対応に役立てるために、がん専門相談員が感じる高齢がん患者と家族の相談支援の課題と相談員に求められる役割を明らかにすることを目的とした。
【方法】
高齢がん患者および家族への相談支援に関する研修企画を検討するにあたり組織された、国立がん研究センター相談員研修専門家パネルワーキンググループの全5回の検討会の議論内容から、高齢がん患者と家族への相談支援の「困難とその背景」「相談員に求められる力量と役割」に関する発言を抽出し、質的に分析した。
【結果】
高齢がん患者と家族への相談支援の「困難とその背景」には、"高齢ゆえの個別性に対応することの困難""高齢者自身の理解力・説明力の低さ""高齢がん患者が家族に依存していることによる選択肢の減少や遠慮"などの患者本人に起因する困難、"家族側の役割意識・善意による意思決定の阻害""家族側の資源による制約"などの家族側に起因する困難、"本人の意思が確認されないまま調整が進むことへの不全感""患者自身の決定能力についての評価の欠如""医療の慣習・文化によるバイアス"など医療側に起因する困難、"意思やニーズを捉えきれない対応力不足"などの相談員の力量に関わる困難が挙げられた。
この困難に対応する「相談員に求められる力量と役割」として、"相談者の価値観・意思を引き出す力""相談者の価値観を医療者に伝える力"を備えた『患者の代弁者』としての役割、"相談者の生活状況にあわせて医療上予測される事象を伝える力"など『医療側からの代弁者』としての役割、『家族の支援者』としての役割、そして、高齢がん患者とその家族がたどってきた"プロセスを支援"し、"プロセスとしての納得"に関わり続ける『伴走者』としての役割が抽出された。
【考察】
高齢がん患者やその家族への相談支援においては、患者本人、家族、医療、相談員それぞれに起因する課題があり、相談員の困難感を生み出しているものと考えられた。これらの課題は不可避なものも含まれるが、こうした課題の背景を分析的に意識し、その中で相談員がとるべき役割を共通認識として広げていくことが、相談員の困難感や不全感の減少に繋がるものと考えられた。

キーワード

臓器別:その他

手法別:患者支援

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