演題抄録

デジタルポスター

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

体幹部発生骨巨細胞腫に対するデノスマブ長期投与例の検討

演題番号 : P40-5

[筆頭演者]
森岡 秀夫:1 
[共同演者]
吉山 晶:1、須佐 美知郎:2、堀内 圭輔:2、中山 ロバート:3、菊田 一貴:3、浅野 尚文:3

1:独立行政法人国立病院機構東京医療センター・整形外科、2:防衛医科大学校・整形外科、3:慶應義塾大学・医学部・整形外科

 

【背景】デノスマブは,RANKLに対するヒト型モノクローナル抗体製剤であり,2012年1月にがん骨転移に対して保険承認を取得している.破骨細胞活性の阻害という作用機序は、破骨細胞様巨細胞を有する骨巨細胞腫の骨破壊制御にも有益性が示され,2014年5月に骨巨細胞腫に対しても適応が拡大された.現在まで,デノスマブが骨巨細胞腫に対し極めて優れた治療効果を示すことは論を待たないが,切除困難例における投与スケジュールや長期的な治療効果,有害事象など様々な問題が未解決のままである.
【目的】体幹部に発生し切除困難な骨巨細胞腫に対して長期にわたりデノスマブを使用した症例の臨床経過を解析し,その問題点を明らかにする.
【症例および方法】対象症例は2年以上デノスマブの投与を行った体幹部発生骨巨細胞腫の7例で,性別は男性2例,女性5例,腫瘍の発生部位は腰椎2例,胸椎2例,骨盤,仙骨,頭蓋底各1例である.以上の症例に関して,臨床経過,有害事象,最終経過観察時の治療効果などを検討した.
【結果】デノスマブの平均投与期間は46ヶ月(21-65ヶ月),投与平均回数は36回(21-57回)であった.いずれの症例においてもデノスマブ開始後1-2ヶ月でTRACP値の著明な低下が観察された.局所の疼痛,神経症状,膀胱直腸障害を有した症例では,デノスマブ開始後1ヶ月以内に改善が認められた.また投与開始後1年で,2症例に画像上PRが認められた.低カルシウム血症を生じた症例はなかったが,悪性転化,顎骨壊死が各1例発生した.病態が安定した2例に対しては,それぞれ投与期間を2ヶ月おき,3ヶ月おきに延長したが,臨床上特に問題なく経過している.
【考察】切除困難と思われる骨巨細胞腫に対するデノスマブの治療効果は,比較的長期にわたって維持され安定した局所制御が可能であった.また,局所制御が得られた後は,投薬期間を2-3ヶ月間隔に延長しても,腫瘍の再活性化を生じないことが明らかとなった.しかし,長期デノスマブ投与に伴う有害事象に関しては常に留意が必要であり,我々のシリーズでも顎骨壊死を生じた1例はデノスマブ2年投与後であった.今後症例数をさらに増やし,明らかにすべき課題と考えられた.

キーワード

臓器別:骨軟部

手法別:分子標的治療

前へ戻る