演題抄録

一般口演

開催概要
開催回
第55回・2017年・横浜
 

Ta-3N0M0腎盂尿管癌におけるconditional survival 法を用いた膀胱内再発リスク解析

演題番号 : O3-6

[筆頭演者]
茂田 啓介:1 
[共同演者]
菊地 栄次:1、萩原 正幸:2、安藤 利行:3、水野 隆一:1、阿部 貴行:4、中川 健:2、宮嶋 哲:5、大家 基嗣:1

1:慶應義塾大学・医学部・泌尿器科学教室、2:東京歯科大学・市川総合病院・泌尿器科、3:神奈川県厚生農業協同組合連合会伊勢原協同病院・泌尿器科、4:慶應義塾大学・医学部・衛生学公衆衛生学教室、5:東海大学・医学部・泌尿器科学教室

 

[目的] 癌生存者において、無再発生存期間が延長することでその後の再発の危険率は低下していくことが想定されるが、従来のKaplan-Meier曲線を用いた生存解析では経時的な再発率の変動を捉えることが出来ない。今回我々は腎盂尿管癌における、比較的頻度の高い膀胱内再発率に関してconditional survival analysis; 条件付き生存解析の概念を導入し、一定期間無再発生存で経過した時点での膀胱内非再発率及び膀胱内再発リスク因子の検討を行った。
[対象と方法] 1980年より2015年までに慶應義塾大学病院を含む3施設でTa-3N0M0と診断され、腎尿管全摘除術が施行された腎盂尿管癌患者364例を対象とした。Conditional survival analysis法を用いて膀胱内非再発率、癌特異的生存率を算出した。また、膀胱内再発リスク因子の抽出はCox比例ハザード分析を用いて検討した。
[結果] 全コホート中、176例 (48.4%)に膀胱内再発を認め、5年膀胱内非再発率は41.5%であった。Conditional survival analysisにより算出した術後1年間、2年間、3年間、4年間無再発生存者において、その後の5年膀胱内非再発率はそれぞれ60.5%、73.4%、79.5%、96.7%であった。多変量解析において全症例を対象とすると、pT stage (pT2以下 vs pT3以上)、膀胱癌の既往の有無、腹腔下腎尿管全摘除術の有無が膀胱内再発における独立したリスク因子であった。一方術後1年間、2年間、3年間無再発生存者を対象とすると、pT2以下ならびに腹腔鏡下腎尿管全摘除術例が独立して術後膀胱内再発の危険率が高かった。膀胱内再発のタイミングは108例 (61.3%)が術後12ヶ月以内に再発し、3ヶ月後の再発率は9.1%で、術後6から12ヶ月後に集中していた。
[結論] Conditional survival analysisの導入により、腎盂尿管癌における術後膀胱内非再発率は無再発期間が長いほど経時的に上昇していくことが確認された。術後約1年以内に膀胱内再発を来たし易い一方、腹腔鏡下手術が施行されたpT2以下の症例は無再発期間が長くともその後の膀胱内再発のリスクが高いため、長期のフォローアップの必要性が示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:診断

前へ戻る